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電話を切って、雅日ともう少し話して寝ようと思ってたけど、八つ当たりしてしまいそうなので寝よっか。そう言って2人で寝た。
人の体温を感じながら寝るのは何年ぶりだろうか。
あの電話がなければ今まで1度も過ごせなかった不安のない夜が過ごせたはずなのに。
「夕雨」
不安そうにこちらを見てくる。
どうしよう。
家族の事を聞かれたら。
自分の事を話すのは好きではないし、家族の事を話すのはもっと嫌いだ。
〝いいわねぇ、夕雨君は。
あんな素敵なお父様とお母様、お兄ちゃんにまで恵まれて。〟
ふざけるな…
どこが素敵なんだよ。
あいつらは狂ってる。
「夕雨、大丈夫?」
「ごめん、大丈夫。」
雅日といれることは幸せなのに今はどうしても1人になりたかった。
雅日を抱きながらその夜は眠った。
ずっと雅日の事を考えていたい。
ずっと雅日を触っていたい。
でも、そんな事許されない。
俺は完璧でなければいけない。
そんなの、前と変わらない。
あの人の言う通りに生きなければ、
俺の存在価値はない
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