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風呂に入って、明日の準備をする。
準備といっても少しの着替えと携帯の充電器を入れるだけだ。
あとは迎えに来る運転手に時間を伝えて終わり。
部屋に戻って雅日の顔を眺めながら考え事をしていた。
行きたくない。
会いたくない。
いらない存在。
普通の家に産まれたかった。
兄弟で笑い合いたかった。
みんなで食事したかった。
どれも叶わない願い。
考えるだけムダだ。
雅日、俺の名前は神谷じゃない。
隠しててごめんね。
いつか本当の事を言おうと思っているけど、中々言えない。
本当の事を言ったら雅日は離れて行ってしまう?
化け物を見る目で見る?
笑ってくれる?
お願いだから離れないで。
明日、兄さん達も来るんだった。
俺に優しい兄さんと俺の事が嫌いな兄さん。
2人は双子。
昔は2人共優しかったのに。
壊されたんだ。
俺の世界一嫌いな人に。
夕雨は俺達で守るよ。
優しく言ってくれた。
なのに今は
お前なんて死んでしまえ。
まあ、俺が全部悪いんだけど…
普通っていいなと思う。
けど、普通って怖い。
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