アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
64
-
雅日side
「雅日」
優しく夕雨が微笑んでる。
夕雨の元へ行こうとしても、何かに阻まれて行けない。
「夕雨!なんかそっちに行けないんだけど…」
「来なくていいよ」
怖かった。
夕雨の顔が。
夕雨の声が。
夕雨にお前はもういらない。って言われたみたいで。
その後、目の前が真っ白になった。
でも、だんだん霧が晴れていくように見えてきた。
そこには社会人の俺と夕雨が知らない家にいた。
「雅日、仕事遅れるよ」
玄関で夕雨が言う。
「待って!!鍵がない!!」
俺は必死に鍵を探していた。
俺は全然変わってないな…
夕雨は全然老けてなくて、社会人とは思えなかった。
カッコイイな…夕雨…
「おそーーい」
夕雨が昔と変わらず小学生みたいな顔で笑う。
5年後くらいもこんな風に一緒に居たい。
ずっと一緒に居たい…
「雅日!起きて!」
「んぅ…夕雨?」
「遅刻するよ」
変わらず俺の頭を撫でてくれる。
よかった。夢か。
幸せなな夢から覚めてガッカリするのと、怖い夢が現実じゃなくてホッとする。
あ、俺夕雨とシて…
そのまま寝ちゃったんだ…
夕雨は変わらず中学のジャージだけど、俺は夕雨のスウェットを着ていた。
身長10cmくらい違うだけでこんなにぶかぶかなのか…
なんか悔しい…
身長欲しい…
「雅日?俺9時に家出る事になってるから学校は行けないけど、雅日が出る時間までは一緒に居よう。」
嬉しい。
ちょっとの時間でも一緒に居れて…
うん。と言ったら微笑んで、ご飯食べよっか。と言ってくれた。
リビングに入るといい匂いがして一気にお腹が減ってきた。
ぐぅううとお腹が鳴った。
結構恥ずかしい…
「はははっ!そんなにお腹減ってたの?」
夕雨が声を出して笑った…
初めて見た…
小学生みたい…
なんか、すごい幸せ…
「ふふふ…お腹減った!」
2人でテレビを見て話しながら食べた。
朝だからそんなに時間が無くて、食べてすぐに制服に着替えて家を出る時間になった。
行きたくないな…
3日、会えないなんて…
前まではそれが普通だったけど、今はすごく悲しい。
「じゃあ、またね」
抱きしめながら言ってくれた。
「うん、またね」
と言った。
行きたくない…
もっと一緒に居たい…
でも、行かなきゃ…
夕雨に手を振って歩き始めた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
64 / 144