アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
73
-
夕雨side
俺は幸せになれない。
兄さん達が幸せになるんだ。
俺は幸せになっては駄目な人だった。
「玲雨っ!やめてよ。
夕雨ごめんね。」
「や、大丈夫…
事実だから…それより内通者を探そう。」
爽雨兄さんはなんとも複雑な顔をしていた。
昔はみんな仲良かったんだけどな…
全部壊されてしまった。
玲雨兄さんがこの家を徘徊して、怪しい動きをしている奴を見つけよう。と提案した。
それに賛成して、俺は爽雨兄さんと徘徊する事になった。
本当は3人でって言ったんだけど、玲雨兄さんは夕雨がいるから1人で行く。と言っていた。
「おい、分かってるよな?2人共。
人の視線、顔、動きをよく見ろよ。
俺らは沢山人を見てきたから嘘なんてすぐに見破れるよな。」
それだけ言って1人で行ってしまった。
「夕雨、ごめんね。玲雨が。」
「ううん、俺が悪いからいいんだ。」
また複雑な顔をしていた。
静かに部屋を出て、二人で歩いた。
「俺はさ、また3人で仲良くなりたい。
昔みたいに馬鹿やって怒られたり、みんなでたまに遊んだりしたやん?
俺はまたそんな日々過ごしたいな。って思うんやけど、夕雨は?」
無理に決まってる。
俺が居たら玲雨兄さんは不幸のままだ。
「確かに楽しかったけど、もう無理な気がする。」
そっか。と残念そうに笑った。
俺は話題を変えたくて
「爽雨兄さんはまだ玲雨兄さんと付き合ってるの?」
2人は中学生くらいからずっと付き合っていた。
だから俺も男いけたのか…
爽雨兄さんは驚いた顔をして
「う、うん。まあ…
一緒に住んでる…一応…」
いいな…一緒に住むなんて。
雅日と…あぁ、そうだ。駄目だった。
幸せになってはいけない。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
73 / 144