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電話を切って不思議そうな顔をしている雅日の正面に座る。
「雅日、大事な話があるんやけどいい?」
雅日は驚いた顔をする。
「うん、いいよ…
さっきから思ってたけど、関西弁だね…俺は夕雨の話す関西弁好き…」
完全に無意識だった。
「俺の家の事、聞いてくれる?」
雅日は俺の手を強く握って頷いてくれた。
俺は真宮グループの代表の息子だと言う事と、爽雨兄さんと玲雨兄さんの事を話した。
途中から雅日は何故かすごく泣いていた。
「ごめんね。言うの遅くなって。
言いたくなかった。言ったら離れていくんじゃないかって。」
人の存在を簡単に無かったことに出来るグループの息子だ。
そんな奴と進んで関わりたいなんて思う人は居ないだろう。
「馬鹿…離れるわけないじゃん…
それより夕雨、凄いね。」
離れるわけないじゃん。
その言葉は初めて言われた。
でも雅日。いつかはさよならしないといけないんだった。
俺は幸せになれないんだった。
「ありがとう。雅日。」
泣きながら頷く雅日。
「夕雨、俺の家の事も聞いてくれる?」
雅日の、家の事。
確かにあまり聞いたことは無かった。
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