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雅日side
夕雨が隠していたことをちゃんと話してくれた。
だから俺も話さないと…
「俺のお父さんとお母さんはお互い偉い家に産まれて強制的に結婚させられたみたいで、その…俺達も2人が望んでできた子供じゃなくて…」
言葉にするのは初めてだった。
だから余計に辛かった。
だからまた激しく涙が出てきた。
変わらず夕雨はうんうん。と相槌を打ってくれる。
言葉が詰まると手をきゅっと握ってくれる。
俺はまたゆっくり話し始めた。
「だからと言って虐待されてたとかでは無いんだけどね…
喧嘩の声はずっと聞こえてて…
あんな子達要らない。とか
はやくしねばいい。とか…色々聞こえてて…
でも前まではお兄ちゃん達と居たから大丈夫だった。
けど、俺達もだんだん仲悪くなっていった…
でも最近ね、離婚する事になって…
俺は要らない子だから…住む所無くなって…」
「住む所、無い?」
夕雨は目を見開いて前のめりで聞いてきた。
「あ、なんか生活費と学費は振り込んでくれるって言ってたけど家が、無い…
親戚とかは会ったこと無いし、お兄ちゃん達には頼れない…」
すごく反応に困る話をしてしまった。と少し後悔した。
けど、夕雨はキラキラした目で
「雅日、俺の家来れば??」
と、言った。
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