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「え、え?なんて?」
聞き間違いなのではと思い、もう一度きいた。
「この家に、引っ越してくれば?って。」
なんて表していいか分からないくらいにドキドキした。
夕雨と?一緒に?
離れたくないとは言ったけど…
「俺なんかが来たら邪魔になるよ…」
「なんか。とか言うなよ。
俺は雅日と一緒に暮らしたいなって思ったよ。
毎日一緒に居れて、おかえり。ただいま。って言い合って。
俺あんまり言ったことないから少し楽しみなんやけど…
まぁ、雅日が決めることなんやけどね。」
ただいま。
おかえり。
ありがとう。
どういたしまして。
いただきます。
ごちそうさまでした。
あまり家で言わなかった事だ。
家族で食事なんてした記憶が無い。
出てくるのはいつもコンビニのお弁当か自分で買ってこいの意味のお金だった。
そんなもの食べたくなくて捨てていたこともあった。
夕雨と、暮らす…
毎日、一緒に居れる。
「夕雨と、暮らしたい。」
夕雨は小学生のような顔で笑った。
さっきまでのことが嘘のように体の震えが止まっていた。
涙も止まっていた。
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