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始まりの値段は100円でした12
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「仁科ー!早くこいよー!」
そんな末岡くんの周りにも人が集まっているわけで………ち、近付きたくない……!
反射的と言っても良いぐらい無意識に一歩後退すると、再び首根っこを捕まえられる。
「だから今更どこ行くんだっての。」
「何やら張り切ってますね、スエ。」
「スエがあんなテンション上げんのなんて、どーせあの不細工な猫関連だろ。」
交互に会話をする二人に僕の体は引き摺られていく。
酷い……酷すぎる……僕が一体何をしたって言うんだよぉ……。
「仁科!これ!ほら、そらぬこくんの新商品!」
近付いた末岡くんは真夏先輩の言う通り、そらぬこくんの新商品に大興奮していた。
「見ろよ、この艶感……まさかフィギュアでそらぬこくんが出るとは……!」
あ、めちゃくちゃ嬉しそう……。
「なあ、仁科ぁ…これ取れないかな?」
まるで犬が餌を欲しがり耳を下げているみたい……。
イケメンって奴はこういう時ずるいって思うんだ。
だって僕何も悪いことしてないのに、無駄な罪悪感に襲われるし。
ああ、あとですね、周りにいる女子の方々が顔を赤く染めてますよ。
「なあ、仁科ぁ?」
本人は周りなんて気にせず僕にそらぬこくんのフィギュアを絶賛おねだり中。
「真葵くん遊ぼーよ。」なんて袖を引く子もいるのに、「ごめんね、今友達と遊んでるから。」とやんわりと手を外す末岡くんはきっとこういう事に慣れているんだと思う。
「へえ、おもしれーな。」
「そうですね。何だかんだ長い付き合いですが、面白い光景だと思いますよ。」
僕の後ろでは口々に笑う真夏先輩と真冬先輩。
「いつもならすぐ流されてどっか行くのにな。」
「ええ、そうですね。余程君を気に入ったようで。」
そう言って真冬先輩は僕へと微笑んだ。
え、てか僕?何で?
「なあ、仁科訊いてる?やっぱ箱形ってむずい?」
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