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つ、疲れた…
閉店後、俺は他の奴らが後片付けしてる中ソファに倒れ込んでいた。
「…葵のヤツ、絶対許さねー」
天井を仰ぎ見ながら口にする。
コールは盛り上がって盛り上がって大成功と言う名の元に終わった。
…それはいい。
最初はやりたくなかったけど、まぁ楽しかったし?
ただ、
アイツのあの余裕感満載の顔がムカつく!
今思い出しても腹が立って仕方ない。
しかも…
"昨日のコト、バラしていーわけ?"
「どーいう意味だよ!クソっ」
「何イラついてんのさ?みんな怖がってるよ」
天井に向かって叫んだら呆れたようにカイがやって来た。
その言葉に起き上がって周りを見ると、俺から距離をとってる奴らの姿。
「もー、流記夜さんがいるから掃除できないじゃないっスか!」
カイの背後から来たのは雑巾を手にした和希で。
「るせぇよ。てか、先輩を邪魔者扱いすんな!」
「はぁ、八つ当たり?葵にタワー入ったからって」
なっ…
「ちっげぇよ!あんなの俺だって「煩いぞ。流記夜」」
げ、今度はマネージャーかよ…
「暇ならお前も掃除手伝え。今日、アフター入ってないんだろ」
「えっ、アフター入ってないんスか!?」
「珍しー。流記夜も入らない日あるんだね」
その話を聞いてた周りの連中も騒つく。
…ああぁあ!
「るせぇな!俺だって休みたい日あるんだよ!あえて入れなかっただけだっ」
「え、でも断られてたじゃ「ちげぇ!俺が断ったんだよ!」」
立ち上がって否定する俺にマネージャーの背後に隠れる和希。
「分かったから掃除するぞ。たまにはいいだろ、初心を思い出して」
最悪…
なんでよりによって今日なわけ…
「…そー言えば颯斗は?姿見てねぇけど」
今日の朝帰って来てなかったから愚痴れなかった。
店に来ればいるかと思ったけど、周りを見ても姿はない。
閉店後の掃除、絶対してるくせに。
「あぁ。お前、同伴でミーティングいなかったから聞いてないのか。颯斗なら一週間休みだ」
はぁ?
一週間も?
「なんでっスか」
俺が聞くと困ったように眉を寄せる。
…なんも聞いてねーんだけど、颯斗から。
「急用があってな。プライベートな事だから詳しくは話せない」
なんだよ、それ。
普段なら流して聞けることが、この日はできなくて。
カチンときてしまった。
「は、前から思ってたんですけどマネージャーも陸社長も颯斗に甘くないっスか?」
「…なんでそうなる」
「ちょっと、流記夜っ」
止めに入ろうとするカイを手で払って続ける。
「だって、同伴もアフターもアイツだけしなくていいって明らか甘々じゃん。イベントの時すら除外だし」
特別扱いにも程があんだろ。
イライラが止まらない俺に周りが静まり返る。
「お前な、ここにいない颯斗にも八つ当たりしてどうするんだ」
呆れたように言われて尚更イラつく。
「だから八つ当たりじゃ「どうしたの?」」
うわ…
そんな時やってきたのは陸社長だった。
「みんな、手が止まってるよ」
その一言でまた掃除をし始める。
「で。流記夜は何を騒いでるのかな?」
ふふっと笑って近付いてくる陸社長に後退りたいのをぐっと堪えた。
いちいち圧かけてくんな!
「葵にタワー入ったからって颯斗に八つ当たりしてたんです」
「おまっ…」
「なんで颯斗?」
そう聞かれて俺は口籠ると今度は和希がいらない口を開きやがった。
「同伴もアフターもしてないから激おこみたいっス!」
「っ、だからちげぇって!お前も早く掃除戻れ!」
「いだっ…もう、暴力反対っスよ!」
「ほーんと大人気ないなー。流記夜は」
足蹴りしたら和希とカイもやっと掃除に戻った。
たく、どいつもこいつも!
「まぁ、颯斗の事はちょっと事情があってね。確かに周りから見たら特別扱いと思われても仕方ないけど、その代わり条件付きだから」
…条件付き?
「なんスか、それって」
聞いた時、ちょうど背後に葵の姿が見えた。
「すいませんっ…俺、急用が!」
「おい、流記夜!?」
陸社長とマネージャーにそう言って慌てて葵の後を追う。
「はぁ、アイツは…」
「ふふ、元気だね」
※ミーティング…オープン前の全体の挨拶。
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