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自分の教室に入れば友人の泊千紘(とまりちひろ)が笑顔で出迎えてくれた。
今や獣人や鳥人や魚人といった人外が生徒の八割を占め、人の数は一クラスに数人と、少ないものだった。
そして千紘はこのクラスで仲良くなった唯一の人の友達。
「明また寝坊?最近多くない?」
そう笑顔で言われると素直にごめんとしか言えず、反論の言葉も消え失せる。そして静かに席につこうとした時だった。
クラスの一部から「甘くないか?」と聞こえてきたのだった。だれか甘いお菓子かケーキでも食ってるんじゃないのかと思い、辺りを見渡すも誰もお菓子なんて食べてはいなかった。
「千紘なんか匂う?俺全然わかんねー」
「はぁ?俺も分かるわけないじゃん。誰かフェロモンでも垂れ流しにしてんじゃねーの?」
「フェロモン?」
その単語を聞いてあまりピンと来ない俺に対して、千紘はすでに何かを理解した様子だった。
冷めた目で見下ろされているのはあまり気分がよくはないが、何分、人外に関して知識が乏しい俺は頭を深々と下げて説明をお願いしたのだった。
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