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両性のフェロモンに当てられたら人外は普通ではいられない。
そう頭の中で誰かが言ったような気がした。
うつ伏せに押さえつけられ紅河の顔を見ようとしたがすぐに分厚くて毛深い手で目を塞がれ、「見るな」と言われた。
ポタポタと落ちてくる涎、獣の匂い、俺の体が先ほどよりも震えを増した。
脳裏に浮かぶのは学校のトイレで二人の人外に脱がされ舐められ噛まれ、犯されそうになった俺。
その場面が今の紅河と重なり涙が止まらない。
さっきまで穏やかだった紅河が喉を鳴らしながら俺の服を脱がすかどうか悩んでいた。恐怖が次第に身体を汚染していく。
だけど心の隅で『紅河なら大丈夫』と思い、本気で抵抗しなかった。
「紅河・・・・?」
声をかければ紅河からは「逃げろ」と弱々しく言われた。俺を押さえつける力が弱まり、紅河は残り少ない理性で俺から距離を取りひたすら苦しんでいた。
そんな紅河を見てしまえば逃げることなんて出来ず、俺は涙で濡れた顔を拭い、紅河に近づき手を伸ばした。
それが間違いだったんだ。
紅河に向けて差し出した手を勢いよく弾かれ痛みが走った。床と壁には赤い点がいくつも広がり、自分が血を流していることに気がついた。
そして目の前の紅河は自身の手についた俺の血の匂いを嗅ぎ、ひと舐めして「甘い」と呟いていた。
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