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「明にはこの苦しみが分からないんだっ!!そうだよな、お前は人だもんな!平気でいつもいつも甘い匂いを漂わして、何もかも惑わすっっ!俺が家にいないのはお前のせいなんだよっ!!!俺を!!!惑わすなっ!!誘惑するなっ!!苦しめるなっ!!お前は・・・・俺にとっては、毒でしかないんだよっっ!!!」
そう言って紅河は半獣のまま何処かへと消えていってしまった。
紅河が言っていたことが、本当なら俺は今までずっと紅河を苦しめていたことになる。
「毒でしかない」俺は、大好きな紅河を苦しめて傷つけ、惑わしていた?
「嫌だ・・・・・・紅河・・・・」
ずっと一緒に居た。
親が再婚してから高校に上がるまでずっと同じ時間を過ごしていたのに、紅河が俺から離れていくことなんて今まで考えもしなかった。
する必要がないことだと思っていたから、いざこうして目の前から紅河が居なくなってしまった俺には、心にポッカリと穴が空いたような喪失感が俺自身を飲み込んでいた。
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