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「匂いがし出したのは半年前からでその時からご飯に薬も混ぜていたんだ。・・・・・・そうか、紅河はそんな前から分かっていたのか・・・・・・なるほど」
一人納得したような素振りを見せた将道さんはブツブツと独り言を言い何かを考えていた。
母親に至っては驚きと、どこか安心した表情を浮かべていた。
そして俺のことを抱きしめ、「大丈夫よ」と言っていた。何が一体大丈夫なのか分からない俺は母親に「何のこと?」と尋ねたが母親から答えが返ってくる事はなかった。その代わり、将道さんは俺を自室へと呼び出し色々な資料を手渡してきた。
難しい本や何かよくわからない写真がたくさん並べられていた将道さんの部屋は今まで一度も入ったことがなかった。
だけど、一度だけ紅河が何かお宝があるかもしれないと言いながら、一人勝手に入っていたのを見たことがあった。まだ幼さが残る紅河は笑いながら入って行ってしまい、数分したら真っ青な顔をして出てきたのをよく覚えていた。「どうしたの?」と尋ねれば何も答えず、ただ怖いものがあったと一言呟きそのまま部屋へと篭ってしまった。
俺も入るかなと思った瞬間に将道さんが仕事から帰ってきて中を確認することが出来なかった。
後日、中を確認するために将道さんの部屋の前に立つと南京錠がかけられていたのが不思議でしょうがなかった。そして数日間、紅河の様子がおかしく見えたがそれも嘘のようにまた笑い合い、楽しい日々を過ごしていた。
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