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「違う、あいつは千紘とは全然違う。すごく、厄介。最悪だよ」
「は・・・・?どう言うことだよ?」
匂いを嗅いだだけで、こうも分かってしまうのかと思い人外のすごさを思い知り、俺は立ち上がり二人から距離をとった。
「ごめん、男鹿君の言う通り・・・・俺は千紘と同じ両性だけど、違うんだ。フェロモンを抑えるのが・・・・難しいんだって。だから対策として紅河と一緒になるのが、一番の解決策。だけど・・・・だけど紅河は・・・・グズッ・・・・」
溢れる涙を抑えることが出来なかった。
何もかもを崩したかった。
千紘と男鹿君が隠れて手を繋いでる姿がすごく羨ましい。
俺の隣に紅河が、欲しい。
どうして俺には、紅河が居ないの?
心の底からそう強く思った瞬間、俺の中で閉じていた蓋が完全にこじ開けられた。
「っ!!!???」
熱くなる身体、胸の辺りをぎゅっと握り締め地面に膝をついた。
その様子を見て近寄る千紘に余計に距離を取る男鹿君に、けたたましい程に音をあげる感知器。
画面に写し出される色が真っ赤に染まり、針が数値を振り切っていた。
心の底から望んだ欲望。
それに反応した俺の身体が紅河を欲しがった。
だから今はこうして俺の身体から放たれているフェロモンは紅河だけを誘うために出てきてしまった、可哀想なフェロモンなのだ。
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