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いつの間にか目を覚ましていた紅河は満面の笑みを浮かべて俺の腕を掴み引き寄せてきた。
今の俺には抵抗の力は勿論なく、腰も痛いのもあり素直に紅河の胸の中に落ちた。
「明・・・・身体は大丈夫?」
「ん、腰が痛いけど・・・・平気だ」
「よかった・・・・・・」
そう言って安心したのか、紅河はまた目をつむり眠り出した。その安心しきった表情を見たら俺まで眠気に襲われ一緒に寝ようかと思ったが、今の俺たちの状況を母親や義父に見られてなんと説明すればいいものか、紅河にそのことを伝えると「それなら大丈夫だよ」と、気の抜けた返事と共に答えが返されたのだった。
「ど、どう言うことだよ・・・・紅河っ!!??」
少し苛立ち、まさかこれが母親に義父の将道さん、紅河の三人による仕組まれたことだと言うことを誰が考えつくだろうか。
眠たい目を擦りながら、紅河は正直に話してくれた。
「怒らずに聞いてくれよ?・・・・俺と明の仲が気まずくなった時に、郁恵さんから提案されたんだ。いっそのことやっちゃえば?ってね・・・・驚きだよな?郁恵さんは俺と明がこうなる事をすでに分かっていたよ。勿論親父も賛成してくれた。それで・・・・二人が旅行に行っている間にどうにかしろって言われて・・・・」
「・・・・マジかよ。まさか・・・・母さんから?」
開いた口が塞がらなかった。
でも二人は俺たちのこと、否定もしない。寧ろ賛成してくれて、紅河の背中を押してくれてもいた。
「明、二人が帰ってきたらちゃんと報告して・・・・お礼も言わなくちゃね?」
笑顔のまま眠りにつきそうな紅河、その耳元でもう一度、「好きだよ」そう伝えた。
すると、紅河からも「俺も、・・・・明だけを愛してる」と、俺に対して一つ上の言葉を放ち、撃沈した俺だった。
二人で一つのベッドに眠る暖かさを改めて知れた。
同じ気持ちを想えあえたことが、奇跡に近くて、改めて俺が両性であることを感謝できたことでもあった。
これから先に広がる未来を、紅河と共に歩めることに感謝して生きたい。
終
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