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昇兄の物
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俺が起きてからすぐに、ランチタイムに入った。
「竜の弁当めっちゃ美味しそう!」
「当たり前だろ。俺が朝から愛情込めて作ってるんだから」
「昇は本当に料理が得意だね。伊達に2年間料理作ってるだけはあるよ」
昇兄が褒められているのを見ていると、俺まで嬉しくなった。
昇兄の愛情込められてると分かると、さらに弁当が美味しく感じた。俺の弁当は、昇兄のやつより少し少なめで、俺が食べきれる量にしてくれたり、バランスを考えて作ってくれている。
「初雪、ありがと。でも、咲月も料理上手くなかったか?」
「咲月の料理、昇にも負けず劣らず美味しいよ」
「兄ちゃんに褒められた~!」
「良かったな、咲月。いっつも怒られてばっかだからな」
「昇はいつも、一言余計なんだよっ!なあ、竜?」
昇兄が作った弁当を黙々と食べていると、急に話を振られてびっくりしたけど昇兄の事だったから素直に答えた。
「昇兄はいつも、優しいよ?」
「あ~、うん、ごめん。竜に聞くのは間違えだな。昇は竜には優しいもんな」
「それはちょっと違うな、竜には優しいじゃなくて咲月には厳しいの間違えだろ」
「兄ちゃ~ん!俺、昇に何かしたっけ?何でこんなに嫌われてるんだ!」
「そんなことより、ちゃんとご飯食べて。」
「竜~!昇も兄ちゃんも酷いよ~」
弁当を食べ終わって、皆の話を聞いていると咲月が若干涙目になりながら抱きついてきたから、頭を撫でて、慰めてあげた。この後の事を考えずに
「よしよし、俺は咲月の事好きだよ?」
「竜……ありがとう。俺も大好きだよ」
「さ~つ~き~、竜から離れてくれないかな?そろそろ我慢できない。」
「咲月もそろそろやめないと、僕にも昇を止めれなくなるよ?」
「何で二人して俺の竜を取るんだ!」
「あっ!咲月、それは……いっ」
「俺の、竜?竜は俺の物だ!」
「言ったら駄目だって言おうと思ったのに。」
「昇兄の…も…の…」
昇兄が始めて俺を昇兄の物と言って、嬉しかった。
この時ちゃんと昇兄の事を見てればよかった…
「昇!そろそろ止めて、咲月が危ない!」
「初雪、ちょっと静かにしててね?分かった?」
後から初雪から聞いた話だが、この時昇兄の顔は笑っていたけど、目が笑ってなくてとても怖い顔をしていたらしい
「わ、分かったよ」
「しょ、昇?ごめん俺が悪かった。だから離して」
ふと、昇兄達の方を見ると咲月が昇兄に持ち上げられていて、咄嗟に声をあげた。
「昇兄、咲月を離してあげて!」
昇兄は、正気を取り戻したように、はっと我に返り咲月から手を離した
「ゴホッゴホッ」
「大丈夫?咲月」
「兄ちゃん……もう大丈夫だから。それより兄ちゃん大丈夫?急にビックリしたでしょ?」
「僕は大丈夫だよ!それより、」
「あっちか」
「昇兄、あんなことしたら駄目だよ。もう、人が居なくなるのは嫌なんだ」
昔の事を思い出した。あまり思い出したくない記憶だ。俺達のとても大事だった人…
「竜……ごめん」
昇兄も思い出したのか、辛そうな顔をした。
「分かったんだったら、もういいよ。それより、初雪と、咲月は早く教室行かないと休み時間終わっちゃうよ」
「そうだな。咲月と初雪はこれから授業あるからね。
俺と竜は皆が勉強してる間に帰るから、人が居ないときに帰らないと竜が心配だからさ」
「じゃあ、また明日」
「竜、明日も頑張ってこいよな!じゃあバイバイ!」
「うん、ばいばい。また明日」
「…………………」
「………………」
「ん、じゃあバイバイ」
この時の昇兄と、初雪の会話は聞き取れなかったから、ちょっと気になったけど二人とも笑ってたから忘れることにした
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