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楼の華 四 mrkty
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みかる「失礼致します。藤姐様…あ、フジ様。キヨ様がお待ちで…」
フジ「キヨが!?」
「旦那様のお迎えとは…これはすぐに行かなあかんなぁ?w」
フジ「もぉーしょうがないなー。じゃあ、そろそろおいとまするね。また来させて頂きますよ、青鈴姐様?あ、見送りは結構ですよ」
「…楽しい話ももう終わりか。また来てな、フジ!」
まあ、フジが遊郭に来る目的といえば俺に会いに来る以外ないし、キヨもそんなに怒っとらんやろ。
…フジ、やっぱり幸せそうやな。
安心したわ
……………………………………………………………………………………………
side モリ君
「あれ?藤さん?」
フジ「あ、モリ君!久しぶり!」
なんや、ヒラノさんの今日のお客はフジさんやったんか。
どおりで笑い声が聞こえてきたわけや。
フジ「あのさ……モリ君。姐様のこと、どうするつもり?」
「は、はあ!?唐突に何やねん!」
フジ「………身請け、考えてるんでしょ?」
「…そりゃ、な。でも、時々思うんや。俺とやのうて、本当に愛した人と結ばれるべきなんちゃうかってな。」
フジ「あ~~もう!!鈍い!!好きなら相手の気持ち少し考えてみなよ!!!姐様はずっと待ってるんだよ!」
「……!」
フジ「あ、ご、ごめん…。と、とにかく!するなら早いうちにしちゃいな。遊女の仕事は大変だし、いつ他の客に身請けされるかもわからない。」
「…それは…そうやけど…」
確かにあの人は売れっ妓やし、いつ誰に身請けされるかわからん
いくら多額の借金を抱えていようと、相当な金持ちなら払うやろうし
フジ「あと、モリ君たぶんお金充分持ってるんでしょ?」
「…何でそう思ったんです?」
フジ「今までに数回、モリ君に身請けを勧めてきたけどね。一回も『金が足りない』って言わなかったから。」
「…はは、さすがは縹屋の元No.2やな。」
フジ「ふふ、伊達に男に抱かれてきた訳じゃないよ♪…まああてがあるのなら、それで姐様を身請けしてね。」
「…身請けに関しては積極的ですね。」
フジ「俺は身請けされて、この牢を出た。もう俺は遊女じゃない。でも、姐様は俺にとって、ずっと姐様だから。…此の世のどこに、姉の幸せを願わない妹がいるっていうの?」
フジさんはしっかりしとるな…。
「ああ、そうやな。」
フジ「じゃあ、また」
「ええ」
…金、か
確かに、金は無いわけやない。
その気になれば身請けなんて造作もない。
ただ、やっぱり心のどこかで思ってしまう。
あの人にとって俺は、気楽に話せる若衆ってだけなんちゃうか、って
それに………
…あかんあかん、ごちゃごちゃ考えてたら頭回らんようになる
早う仕事戻らな怒られてまう
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