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出会い 2
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初めて会った時は世の中にはこんな綺麗な目を持った子がいるんだって思った事を思い出す。
そんな見つめてどうかした?と首を傾げられ、太陽くんの瞳をガン見していたことに気がついて慌てて首を振る。
なんか惹き込まる、どこか不思議な雰囲気を纏ってる。
神社に居るからかな、なんて考え…安直すぎるかな。
「ううん、なんでもな…」
「はるちゃんみーっけた」
「へぁっ!?」
「あっ!新月!!どこ行ってたんだよ!!」
「ちょっとその辺まで」
へらっと笑ったその途端。
かくんと膝の力が抜けて地面へと崩れ落ちる。
びっくりして見上げると、碧と翠の4つの瞳に見下ろされる。
「び、びっくりした…新月くんか…その子どうしたの?」
「あぁ…こいつ?縄張り争いで負けて怪我した子猫」
突き出すようにして見せられたのは腕や顔に引っかき傷や噛み跡など痛々しい傷のついた白猫。
手当しようと思って連れてきたらしい。
連れてくるまでに抵抗されたのか、新月くんの腕にも無数の引っかき傷がついていた。
新月くんの腕に抱えられたクリっとした2つの翡翠がこちらをじっと見つめている。
「……君…ソラが何処にいるか知らない……?」
「にゃーっ」
「まー…知らないよね……」
猫に尋ねたところで帰ってくるのは無垢な返事。
わかりきってる返事だけどガクッと肩を落とす。
「まだ見つかってねーの?ソラのやつ」
「うん…せめて元気な姿だけでも見れたらって思うんだけど。全然姿見せてくれなくて…」
僕が探してる大切な親友『ソラ』
僕の家族”だった”猫。
いや、今でも僕は家族だと思ってる。
ある日帰ってきたら居なくなっていたソラをここで見かけたと聞いて毎日探しているものの、まだその姿のすの字すら掴めない。
元々野良猫で怪我をしていた子猫だったソラを拾って育てだしたのは中学2年生。
昔飼ってた猫に似てて何故か放っておけなかったのだ。
そのとき見つけた場所もこの神社の軒下だったから戻ってくる可能性は十分なわけで。
その可能性にかけて探し続けてる。
もしかしたらアイツは、本当は野良として生きていきたかったのかもしれない。
もしかしたらここで見たって言うのも嘘で、ここには居ないのかもしれない。
最近はそんな悪い考えも浮かぶ。
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