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タピオカとおしゃべり 2
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「ぁ、う…変……だよね…」
「え?なんで?そんなことないでしょ、俺も好きだもん」
「で、でも…父さんは男なのに変だ、って……」
「なにそれ」
肯定してくれたのが嬉しくて漏れた声。
眉間に皺を寄せて険しい顔をした夕陽くんに説明する。
父さんは認めてくれなかった僕の好きな物。
甘いもの、可愛いもの、人形だって好きだ。
お菓子を作るのも、裁縫するのも。
でもこれはおかしい事だと昔から言われ続けたこと。
だから口に出さないようにしたこと。
父さんにもバレないように、箱に押し込んだこと。
そしてクローゼットの中に今も隠してあること。
話せば話すほど眉間の皺は険しくなっていく。
「なんだよ、それ…」
「……ごめん、こんな話。面白くないよね」
「そんなことない!春翔のこと知れて俺は嬉しいよ」
僕の好きな物は未だ箱の中。
固く鍵をかけて、心の箱にも蓋をしてきた。
好きって、言ってもいいのかな。
変じゃないかな。
気持ち悪がられないかな。
「ぅ、…でも……」
「ていうか、」
「好きな物を好きって言って、何が悪いの?」
「っ、」
そんな僕の不安を
彼のたった一言が、一瞬でかき消してくれる。
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