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どうするの 1
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「…ただいま」
「「あ、おかえ……」」
「……どしたの、暗いけど」
「まぁ…ね」
「「………」」
神社に帰った俺を迎えてくれた双子が、異様な雰囲気を感じ取り心配そうに声をかけてくる。
言葉を濁す俺に2人は顔を見合わせて押し黙った。
「「…ご飯は?」」
「いらない」
「「…風呂は?」」
「あとで」
「「……例の件は?」」
「……続けるよ」
「「そう。わかった」」
全てハモる2人に双子ってすご、なんて思いながら
淡々と必要な返事だけ返して部屋に戻る。
できるだけ一緒にいたくて春翔を見送った。
自己満足だってことも、困らせることも分かってた。
もっと上手くやるつもりだったのに。
あの日の決心はどこへ行ったやら。
止めることができなかった己の馬鹿さ加減に思わず舌打つ。
「はぁ…やらかし過ぎだ……」
のんびりしてたら何も出来ず無慈悲に日にちだけが過ぎていく。
かと言って距離を詰めすぎることも出来ない。
手も出せない。
伝えたい事も上手く伝えれない。
「伝わってんだか伝わってないんだか…」
転校してからもう早1ヶ月。
自分なりにあれこれ伝えてきたつもりだけど反応はイマイチ。
俺の語彙力の無さはもちろんのことだがそれ以前。
春翔が思った以上に鈍いという問題点。
ほんの少し前まで俺の言う『特別』すらしっかり理解してない様子だった。
言葉だけじゃ鈍い春翔には伝わってない気がして思い切ってみたけど…今日は流石に困らせすぎた気がする。
関係の進展はおろか、
寧ろマイナスになってないかと不安すら感じる。
けどまだ俺の”好き”を理解してんのか白黒はっきりしない。
未だに友達として〜とか思ってる可能性も大だ。
俺の経験上、あいつならありえない話ではない。
「思ったほど上手くいかないもんだなぁ……」
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