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プロローグ-2-
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次の日の放課後、俺は康介を教室呼び出した。
康介は、笑顔で了承してくれた。
本当できた人間だと思う。
あんなに言うほど嫌いな人間にもまるで親友のように接するんだもんな。
でも、もうそんなことしなくていいから。
もう、終わらせるから。
そう決めて入口のドアを見つめた。
そして足音が近づいてきてドアに手がかかる。
康介が来た。
「またせて悪いな、優。言いたいことってなんだ?」
そう言ってお前は俺に笑いかける。無理なんてしなくていいのに。
「なぁ、"秦"」
「どうしたんだよ急に秦とか言って。 いつもみたいに康介って呼べよ」
それは康介のほうだよ……。
「そっちこそ、俺のこと無理して優なんて呼ばなくてもいいんだよ? ほら、古谷って呼びなよ」
「おい、優? お前どうしたんだよ何かおかしいぞ」
「おかしくなんてないよ。ってか俺さ明日転校することになったから。話したいことはそれだけだから、んじゃあな」
これでいい。
嫌いになれないなら離れればいい。
無理矢理でも断ち切ればいいんだ。
「ッ……おい、優。 待てよ!!」
早足で教室からさろうとした俺の手を康介はつかんだ。
掴まれた腕が熱いくて痛い。
「お前変だよ!急にこんなこと言ったり。俺に何もなしですぐ転校するとか……」
なんでこんな時まで友達のフリするんだよ……
「離せよ……っ! お前がっ、康介が言ったんだろ!キモいって俺のこと嫌いなんだろ!!?」
「なんでお前それ……まさか、聞いて……?」
「そうだよ……聞いたんだよ」
康介の手を振り払って掴まれていた場所を押さえる。
「違うんだ、あれは……」
「もういいよ……っ!!」
「優……」
もういいんだよ。無理してまで友達なんかやらなくても。
言い訳なんかしなくても。
好きになった俺が悪いんだから。
「本当にもういいから……。今まで俺の親友のフリしててくれてありがとな。……迷惑かけてごめん」
「優っ!!!」
そう言って今度こそ教室から出た。
教室から出た後は涙を乾かすように走って外に出る。
泣くのはこれで最後だ。
俺を呼ぶ康介の声は聞こえないフリをした。
「古谷様。 お乗りくださいませ」
外に出て門前まで行くと既に車は来ていた。
寮にはもう俺の荷物はない。
もともと、叔父さんからは俺の学園に来ないかと誘いを受けていた。
俺は、康介と居たいからと一度は断ったが叔父さんに連絡をとったところ快く迎え入れてくれた。
寮にある俺の荷物は全て昼のうちに叔父さんの学園の寮に移されているだろう。
後は俺がこの車にのって叔父の学園に向かえばいい。
俺は、開けられたドアから車に乗り込むと静かに言った。
「早く車を出してくれ」
俺はもう笑わないし泣かない。
(あいつキモいし笑った顔とか見るに耐えないから)
あの時の言葉を思いだし涙の跡を拭った。
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