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自覚
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「好きだよ」
その言葉が、俺の動きを止めるのは簡単だった。
けーちゃんは未だにスヤスヤと寝ていてきっと寝言なんだろう。
けど。
___好きだよ。
それって誰の事なんだろう。
けーちゃんは、モテるだろうから恋人の1人や2人いてもおかしくはない。
でも、けーちゃんは俺とずっとと言っていい程一緒にいる。
恋人の影はいっさいみかけないし。
けーちゃんの好きな人ってもしかして……
なんか、落ちつかない。
ダメだ。
期待しちゃだめだ。
「好きだよ……」
寝言でそう再度呟いたけーちゃんは、さらにぎゅーっと抱きしめてくる。
まるで俺が告白されてるみたいだ。
「……ッ」
けーちゃんの寝息が首筋にかかる。
その度に身体がぶるりと震えた。
ドキドキと心臓が脈打つのを感じながら目を閉じる。
頭に浮かぶのは、けーちゃんで。
今まで浮かんでいた康介の顔はゆっくりと確実に薄れてゆく。
「好き……ゆう……」
その寝言で康介の顔が完全に消えたとき。
好き。
その言葉がストンと落ちた。
あぁ、俺。
けーちゃんが好きなんだ。
回された腕を空いた両手で抱きしめるとけーちゃんの暖かさに包まれてもう一度、眠りについた。
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