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ときめき
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会いたかった___
あの後康介は、泣いてる俺を気にしたのか寮まで送ってくれた。
寮までの行き道、色んな話をした。
新しい学校での生活の事。
親衛隊の事。
友達の事。
そして
あの日の事も。
「……なぁ、優」
中学生の時みたいに一緒に並んで帰る。
途端に重くなった空気に、つないだ手に力がこもった。
「あの日……「いわなくていいよ」
続きを聞きたく無い。
やっと、吹っ切れたんだ。
今更また傷つきたく無いよ。
そんな俺の気持ちを無視して、康介の口は動き出した。
「優……お願いだから聞いてくれ。 あの日、俺は優に酷い事を言った」
「……うん」
繋いだ手は既に震えている。
その震えを止めるように康介は握りかえす。
「あん時、俺すっげぇガキで照れ隠しであんな事言っちまった。 優が聞いてないと思ってたとか、そんな言い訳通じないってわかってる、わかってるけど……」
「うん……」
段々と力をなくしていく康介の声に俺はただ頷く事しか出来ない。
「嫌ってもいい、だからこれだけは言わせてくれ。 あの時の言葉は全部嘘だ。俺は優が好きだ。 優の笑った顔は、かっ可愛いしすげぇ好きだ…。って、何か面と向かって言うのやっぱ恥ずいな」
耳を紅くしてそう言った康介に何故か俺まで恥ずかしくなる。
両思いだった。
嬉しい。
凄く嬉しくて、涙がでる。
でも、
「康介、やめてよこっちまで……恥ずかしい……」
あの時の様なドキドキは
「優、俺と付き合ってほしい。」
もう無い。
放課後、帰り道
生ぬるい風がそっと頬をたたいた。
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