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突然の出会い#6
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これから何が起きるのか、まったく想像もできないほど僕も子供というわけではなくて
そっと瞼を伏せていくRicky
勿論僕に、閉じきる目を見届ける勇気なんて無い。
歯を食いしばって息を止めてみても、
嘘みたいに跳ね上がる心臓。
Rickyの息が当たって、思ってたよりずっと熱くて
そもそもこんなに近くで誰かを感じるのも初めてなのに。
…なのにその相手は
本来僕には決して手が届く事のない存在の人だ。
もう、わかんない…っ
わかんない、けど……
なるようになれ、もうっ!
「――ッッ!」
僕の唇とRickyの唇が触れ合う寸前
目を開いていないから正確にはわからないけれど
恐らく数センチ、数ミリの距離。
決まりきらない覚悟を嘲笑うかのように
plll……
Rickyのスマホが鳴った。
「っあ……。はぁ、はぁ……。」
小さな舌打ちをしながらも体を離したRickyのお陰で、僕はようやく呼吸の仕方を思い出す。
まだ爽やかな大人の香りが残るその空間で、
精一杯息を吸った。
ため息をついたり、気怠そうに短い返事をしたり。
スマホの向こう側の相手はいったい誰だろう。
マネージャー、とか…
事務所の偉い人?なのかな。
少しも足を踏み入れたことのない世界で生きている人の事は、
ただの1%もわからない。
聞いた感じ、敬語でもないからあまり気を遣わなくても良い相手なんだろうな。
誰だろう、僕はこの場所で話を聞いていていいのかな。
誰かに漏らすようなことはないけど…
っていうか漏らせるほどの相手もいないけど、
こんな場所で初対面の僕の目の前でお仕事の話(多分)をしちゃうRickyの神経を疑う。
…そして空気も読まずにその場で固まっている僕の神経も疑う。
「…い、おい。」
「っへあ?!」
気付いた時には電話は終わっていて、
再び僕のもとへ迫ってきたRickyの相変わらず整いすぎた顔に思わず目を逸らす。
絶対僕今顔赤い。
熱すぎる。
耳から頬から首まで全部。
熱くて熱くてRickyにまで熱が伝わってしまいそう。
そんな僕を暫く眺めた後、ふっと小さく息を漏らしたRickyは
――あろうことか僕の制服のネクタイを緩め始めた。
白くて細くて、多分そこらの女の人より綺麗なんじゃないかと思うその指が、
シャツのボタンに手をかける。
「…お前まじめだなぁ…。
ボタン留めすぎだろ、脱がせにくい…。」
小さく呟くRickyに、
そりゃ元から脱がせられるために作られた制服じゃないもん…
と、突っ込みそうになってハッとした。
今…
今!
僕なにされてるの?!
なんで?Rickyが僕の…っ
僕の服、ぬ……脱がして…?!
えっ??
いいい意味わかんない、
もう何もわからないよわかってないよ僕。
こんな事、ふつう…ありえないよ。
な、なんなの……夢か何か?
でもそれにしては
Rickyの手の感触も、温かさも伝わってくるんだ。
ぷち、ぷちとボタンが外されていく感覚も、
徐々にあらわになる僕の肌も。
布の擦れる音も。
そのすべてが、これが現実なのだと
僕に言い聞かせるみたいに。
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