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突然の出会い#7
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悔しいというのか、予想通りというのか
慣れた手つきでボタンを上から5つ程外すと、
近くの引き出しを開けたRicky。
かと思えば黒のマジックペンを取り出して
ニヤリと笑う。
その顔を見てこの先なにかよろしくない事が起きることを瞬時に察した。
この意地悪そうな顔、
何となく誰かに似てる、気がする。
誰だっけ?
きゅぽん。
そんな小さな疑問を抱いたことなんて、
このRickyの謎すぎる行動のおかげですっかり頭の中から消え去ったのだが。
「く、くすっ…ぐ、たぁっ!!!ひえぇ~…っ。」
「動くな。」
「はっ…はい……っ。」
スルスルと僕の胸元にペンを走らせるRicky。
なんとも言えない擽ったさに身を捩ると、
何の説明もないまま“動くな”とそれだけだ。
恥ずかしいのと擽ったいのと、
もう色んな感情がごちゃまぜ。
一刻も早く脱がされたシャツを着たいのに、
なかなか手を放してくれないRickyと
僕を縛るたった一言の命令。
Rickyが理解しがたい行為を終え、
満足そうにペンのキャップを閉める頃には
僕はくたくたになっていた。
だって息の仕方も忘れるくらい、
綺麗な顔がずぅっと近くにあって。
心臓とか、どっか大事な部分の血管の1本や2本切れるんじゃないかと思うくらいに
ドクドクと体がうるさく脈打っていたんだから。
仕方ないよ、疲れた。
こんな現実味のない事ばかりで…。
ぼーっと見上げた先に居る人物は、
ふっと小さく笑う。
あーこれ、この人癖なのかな。
あんまり笑わないけど、こうやって少しだけ
息をこぼす。
かすかに香る、香水とたばこの香り。
たばこ、なんて。
歌うのが仕事なのにいけないんだ〜…。
「お前、名前は?」
「…ともなり、よし…はる……です。」
「…あまり人前で服脱ぐなよ?よしはる。」
「ん、ぁ――ッ」
身体の奥を刺激する声が、
耳元で僕の名を呼んで。
ふわりとやわらかい感触の奥の、白くて硬い列が
首元に確かな痛みを植えた。
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