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突然の出会い#11
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こ、れ、は…もしかして
…電話?!
え、誰から…いや誰かなんてわかってる。
わかってるけどわからない。
偽物?
だってそんな突然電話とか…かけてくるもの?
けど出会い頭に付き合うかなんて訳のわからない事言ってくるような人だ……。
え、でも、だけど!!
「あっ、切れた。」
手の中で振動していたスマホがパタリと止む。
これがもし本当にRickyだったら、
きっと僕は処刑されてもおかしくない事をしてしまった。
やばい。
これはとても、やばーーっ
「っうわああ!」
またもや唸り出すスマホ。
もちろん、先ほどと同じ画面。
sの文字、紫の薔薇。
3コールほど鳴ったところでようやく指先に力を込めた。
「っ、は…はい……。」
『遅い。』
「はい!ごめんなさい!」
その声は紛れも無く、Rickyのもの。
『何してた?』
「…え?」
『聞こえなかったか。何してたんだって聞いてんだ。』
「あっえ、えっと…スマホ見てました…。」
『だったらもっと早く出れるだろ。』
当たり前だ。
目の前でかけてもらった電話、無視しました。僕。
『なんで電話してこないんだよ。』
「え、えぇ?!」
『だから、何で番号教えたのに電話じゃないんだ。』
「それは…だ、だって忙しいんじゃ…。」
『別にお前ならいい。』
「…え。」
『さっきから耳悪いのか。同じ事2度も言わせるな。』
「ごごごめんなさいっ。」
『付き合ってるんだから、お前なら構わない。』
「……ぁ…。」
“付き合ってるんだから”
確かにRickyはそういった。
透き通る綺麗な声で、当たり前のように
僕に、僕に言った。
聞き間違いじゃない。
僕、と
付き合ってる、て……。
「うっ…、うぅぅ……〜〜〜っ。」
『は?おいお前泣いてるのか。何があったんだ。』
「だ、だってり…Rickyが…っ、つ、つきあってる、てっ……っ。」
必死に伝えたい事を声に出そうと試みるが、
何せ上がった息と回らない頭でうまく説明できているかがわからない。
ぐずぐずと鼻を啜る僕の汚い音の向こうで、
またRickyは息を溢す。
『ふっ。お前本当、面白い奴だな。』
スマホ越しでも、今彼がどんな顔をしているのか想像がついて
それが僕の心臓をまた跳ね上がらせた。
『次はお前からかけて来い。』
最後に言われたたった一言。
僕をいとも簡単に不安の渦から救い出してくれる。
“次は”
その言葉は、まだ終わりが来ないと言うことだから。
まだ、夢を見ていても許されると言う事だから。
晴れた夜空に幾千の星屑が散っている
そんな忘れられない特別な夜。
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