アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
もう離れられなくて#47
-
「…はぁ、痛いか?」
力いっぱい僕の腕を噛んでいたであろう奏楽さんが顔を上げる。
ライトに照らされたその妖艶な笑み。
僕の腕と奏楽さんの唇を繋ぐ銀の糸。
「……いたい、です。」
不思議と、やめてほしいとは思えなかった。
「そうか。じゃあ次はーー…ココ。」
奏楽さんは僕のパーカーをまくり上げて、
いつか電話番号を書き付けた筋肉の無いヘソの上を、指でトンと触れた。
僕は肯定を示すように、
これから来るであろう痛みを覚悟して目を閉じる。
奏楽さんの熱い息を腹に感じて、その奥が切なく疼く。
その理由を僕は知らない。
「っあ゛、い…うぅ゛っ……!!」
解放されたその手は力の限り枕を握りしめ、
もう片方の手で口元を押さえた。
それでも耐え切れず叫びそうになったときは、
自ら手の甲を噛んで痛みを分散させた。
痛いに決まっているじゃないか。
されて嬉しいはずがないじゃないか。
それくらいわかっている。
だけど僕が、奏楽さんの為にできることがこれならば、
僕はそれを喜んで受け入れる。
僕の全てをもって、奏楽さんを癒してあげたい。
ほんのひと時でも、奏楽さんが楽になれるのならば。
緩いボトムに手をかけられて、
引っ張る奏楽さんに従い腰を浮かせた。
あられもない姿だと思う。
だけど奏楽さんのストレスを軽減させるためにそれが必要だというのなら、
恥ずかしくもなんともない。
…嘘、恥ずかしくないわけはないけど。
初めて自分に、少しだけ自信が持てた。
ねぇ、今僕はあなたの力になれていますか?
奏楽さんを楽にしてあげられていますか?
奏楽さんの手助けが出来ていますか?
いつの間にか僕の身につけられているのは
下着一枚だけになっていて、
暗いからわからないけれど、そこかしこに奏楽さんの歯形が痛々しく刻み込まれているだろう。
ふくらはぎに歯を立てられた時には、
痛みのあまり奏楽さんの髪を掴んで抵抗した。
普段の僕では出す事も出来ないであろう大きな叫び声も上げたかもしれない。
誤魔化しようのない猛烈な痛み。
僕はMじゃないから、
これがもし奏楽さんじゃない他の誰かだったとしたら、
こんな風に耐えることは不可能だろう。
もしも奏楽さんに、そんな僕の気持ちの大きさをわかってもらえたら、
どんなに嬉しいだろうか。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
63 / 95