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もう離れられなくて#49
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強く噛まれると、それはもう悶絶するほどの痛みが襲い来るが、
人間の感じる痛みには限界があるようで、
ある程度まで痛みが増すとその一定以上の痛みは無い。
僕が身をもって調べた人間の不思議。
だからと言って、これを毎回繰り返されるのは無理だと思うけど。
「っ、んーー…。」
奏楽さんはつい先ほどまで喰らいついていた内腿に、
今度はいたわる様に舌を這わせる。
その何とも言えないくすぐったさ、
ぬるりと温かい感触に、
出したくもない声が漏れた。
その間も変わらず奏楽さんは僕のそれを指で弄び続ける。
早く手、どけてください奏楽さん。
汚れてしまいます。
奏楽さんの綺麗な手を、僕なんかが汚してごめんなさい。
気持ち悪い姿、見せてしまってごめんなさい。
気持ち悪い声、出してしまってごめんなさい。
恥ずかしさ以上に頭の中を埋め尽くすのは、
言いようのない快感と、それに抵抗できずにいる自分の浅はかさ、
それ故に奏楽さんの長い指を汚してしまっているという罪悪感。
ぐちぐちと誤魔化す事はもはや不可能な
僕のと、奏楽さんの手の間から漏れ出す湿った音。
奏楽さんは、もうずっと身体を噛んでこないのに
この行為を続けていた。
奏楽さんの顔を見ると、当たり前のようにぶつかる視線。
噛むの、あれで最後じゃないんですか…?
終わったなら、もう手を離してください。
奏楽さんの手、いっぱい汚しちゃう。
そんなの、だめだから。
僕なんかがこれ以上、奏楽さんに迷惑かけたらいけないから。
奏楽さんを汚したらいけないから。
言いたいことや伝えたいことは沢山沢山頭に浮かぶのに、
奏楽さんにそれを伝えられない。
言葉にしようと口を開けば、
そこから出てくるのは僕の乱れた呼吸音とはしたない声だけだから。
奏楽さんの耳、こんな醜い声聞いたら腐っちゃうから。
今の僕にできる限界は、息を止めて、声を殺すこと。
抗えない快感を必死に耐えて、奏楽さんをもうこれ以上汚してしまわないこと。
それだけ。
奏楽さんは僕のから手を離すと、
仰向けに倒れる僕の上に跨った。
「さぁ…これからだ。」
にやりと笑う奏楽さんの不敵な笑みが、
僕の頭を真っ白にする。
何がこれからなのか、むしろ目的は果たしたのではないか。
何もわからないまま、奏楽さんの手は唯一僕らを照らしていた間接照明のスイッチに触れた。
部屋は闇に包まれる。
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