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もう離れられなくて#52
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奏楽さんの息が上がっていくにつれて、
動きは激しくなっていって。
奏楽さんが僕なんかで、大きくしてくれたことに驚きを隠せなくて
どうしようもなく嬉しくて、
でもやっぱり意味が分からないくらい恥ずかしくて
涙がぽろぽろと溢れ出した。
当てられる奏楽さんのが僕のを刺激して、気持ちよくて、声が出そうで、
出したら奏楽さんが嫌がってしまうかもしれなくて。
真っ暗闇だから、奏楽さんは僕なんかでも耐えられるんだと思うから。
何も見えないから、奏楽さんは気持ちよくなってくれているんだと思うから。
奏楽さんの目に、僕じゃないもっと別の女の人が映ってるかもしれないから。
奏楽さんの頭の中には、僕ではない誰かが浮かんでいるのかもしれないから。
僕は奏楽さんを邪魔しないようにしなきゃ。
僕は奏楽さんを癒す為に、ここにいるから。
脚の上に奏楽さんの体重がかかる。
僕の膝で、奏楽さんが苦しくならないように、
手を離された隙に少しだけ脚を開いた。
奏楽さんの手が、張り詰めた僕のと奏楽さんのを合わせて握りこむ。
「美晴…っ、イっていいか?」
「…は、い……っ。」
僕よりも大きい奏楽さんのそれは、
僕に負けないくらい脈打っていて、
今にも弾けてしまいそうで。
併せて扱かれれば、もう僕にはなす術がない。
「~~っ。」
奏楽さんの息を詰める音を聞いた。
奏楽さんと同時に僕も全部全部吐き出した。
汚してしまってごめんなさい、って。
謝らなきゃな、奏楽さんに。
腹に飛び散った温かいコレは、
おそらく奏楽さんにもかかっているだろうから。
僕に倒れこんでくる奏楽さんの、
それまでとは明らかに違う熱っぽさに心臓は鳴りやまない。
はぁ、はぁという奏楽さんの熱い吐息が耳元に降りかかる。
僕の心音と混ざり合う速い鼓動は、
奏楽さんの、だよね。
名前を、呼んでくれた。
僕の名前を。
この行為が、僕とのものであると、
認識してくれていた。
他の誰かじゃない、僕で、
奏楽さんは汗をかいて、鼓動を速めてくれた。
「…疲れた。」
「………ん、」
なんだか、僕の首元に顔をうずめる奏楽さんが可愛くて。
しっとりと濡れた密着する身体は、
汗と精液でくちゃくちゃなのに、少しも気持ち悪くなんかなくて。
視界に入るその黒髪を控えめに撫でてみる。
奏楽さんは何も言わない。
…あぁ、よかった。
拒否は、されないみたいだ。
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