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実は優しいんです…!?
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「せんぱーい!隼人先輩!!」
新入生でいっぱいのなか、上の方に見えた赤髪に向かって、割と大きな声で呼ぶ。
あ、隼人先輩気付いたっぽい。
早足でちょいちょい「どけ」と言いながら、新入生の中を俺の方へスタスタと歩いてくる。
「久しぶりだな、真人。ようやく俺と結婚する気になったか」
(゜ロ゜)ハイ?
何言ってんの、この人。
「なってませんよ!!」
俺がそう答えると、隼人先輩はワケわからんという顔で
「じゃあ何で俺を呼んだんだよ」
なんて、ふざけたことを言いやがる。
この人は本気で、俺が話しかけるときは結婚話するときだと思ってんの!?
愛に飢えてんのか?
…そんなことないか。
お金持ちだし、いつだって周りに誰かいるだろーし。
まあ、きっと冗談だろうな。
「そーじゃなくて。俺さっき放送で生徒会室に呼ばれたんですけど、場所わかんなくて…」
「この間檜に案内してもらってねぇの?」
……。
「…してもらったんですけど……忘れちゃって…」
やば…恥ずかしくて泣きそ…。
「じゃ、一緒に行くか」
「え…」
てっきり、からかわれると思ったのに…。
「俺も呼ばれてるし。それに…俺の可愛い花嫁が困ってんなら、助けるしかねぇだろ?」
…意外。
ただの自己中だと思ってたけど…優しいんだ、隼人先輩。
わざとふざけて、俺が気にしないようにして。
「…まだ嫁になんてなってません」
せっかくの気遣い。
気づかないフリしないと。
「『まだ』ってことは、『いつか』は嫁になるんだよな?」
まだ、わざとふざけてる…。もういいのに。
…今どんな顔してるんだろ。
……優しい顔してるかも。
先輩の顔を見るため、少しの期待を胸にちょっとだけ上を向く。
ニヤニヤ。
………腹立つ。
わざとってわかってるけど…わかってるけど…
「嫁になんてなりません!!!」
少し大きめの声を出してしまった…と後悔してももう遅く。
ざわ…じっ
………うぅ。見られてる…。
周りから注目集めちゃってる…平々凡々な俺が、イケメン様に何言ってんだって目で皆が俺を見てくるぅ!…俺が慌てているにも関わらず、隼人先輩は平然とした顔で言う。
「わかってる」
…え?
「照れてんだろ?人が多いから」
なんもわかってねー!!!!
何!?この赤髪は、一体何をわかってるつもりだったの!?
「違います!大体俺は先輩のことなんて好きじゃありません!!」
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