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07* 「咲樹は俺の一番大切な人だから」
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安心したのも束の間、藤本の殺意を帯びたような目つきに恐怖を覚え、体が縮こまる。
今にでも人を殺しちゃいそうな目してるよ……。
「……何してんの」
「な、何って……ねぇ?」
「遊んでた、だけだけど……」
いつもより低い声に女子たちもビビっているらしかった。
いい気味……いい気味、なんだけど……。
さっきから藤本が怖すぎて顔見れない……。
「へぇ。お前らの遊びってだいぶ悪趣味だね」
「だ……だって、コイツが……っ」
「……うるさいよ。酸素の無駄。つか目障り」
「ひっ……」
自分に言われているわけじゃないのに、なんだか涙がこぼれそう……。
女子相手でもそんなこと言えるんだ……。
「こんな真似するお前らより……咲樹の方が、いくらか正当だと思うけど?」
「……なんで……なんでこんなやつの味方するのっ!?」
女子の一人がそう叫んだ。
それってもう、逆切れじゃ……。
「あんなの、生きてる価値ないじゃん……っ! 汚いし、暗いし、気持ち悪いし……っ」
言われるのは別にかまわないけど、どんどん藤本の目が殺人鬼の目になってってるんだよ……!
気づいてないの? 他の女子も焦りはじめて、「ちょっと……やめなよ」と止めているのに。
「藤本くんとは不釣り合いだよ……っ!」
「……ねえ。それ以上言ったら、殺すよ?」
つ、ついに言っちゃった……!
どうすんのこれ……っ、女子たちも怯えて声が出せなくなってんじゃん!
「悪いけど、咲樹は俺の一番大切な人だから」
「……な、な……」
「今度咲樹に手出したら、マジで潰す」
そうやって藤本がトドメをさすと、女子たちは逃げ出してしまった。
そして二人きりになって、しばらく沈黙が流れた。
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