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好き 2
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拓斗は、入学式の日の事は覚えているのか。
あの時、咄嗟に大笑いをしただけだったが後は何もない。
(…何も無かったことに、しようかな)
今の関係はとても良好だ。
友達のままで良いのではないか?
拓斗は熱が出ていたから、気の迷いで済む話だ。
むしろ、冗談で済ませてあげる事だって出来る。
(拓斗の気持ちを今更聞くのが、怖い)
そう思っていると席の前に座っている拓斗が、まるで難問を解くかの様に頭を抱えている。
(ど、どうしたんだよ!)
慌てて、後ろから肩を叩いた。
「拓、どうした?さっきの授業で、わからない所あったのか?」
さっきまでは普通だったから、とても心配した。
「…わからない」
その一言が、すごく重く聞こえた。
「…ウチに、来る?」
その言葉に、勢いよく頭を捻ってこっちを凝視してくる。
「わっ!何?!」
(何か変な事でも言ったか?)
驚く自分の両手を掴んできた。
「行く!行きたいです!」
『そんなに悩んでいたのか?』と言うと、拓は全力で首を縦に振った。
悩んでいる。
なぁ拓、それは俺にわかる問題?
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