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斗真はきっと大事にしてくれるし、こんなに悩む事もない。
まだ先輩が好きだから付き合えないけど……
泣いてるのに気付かれたくなくて一言も答えず学食を出て走って中庭に向かった。
足元に涙が落ちる。
先輩を責めるのはおかしいか……
コソコソ進路やバイト先を調べて、飲み会にも付いていってストーカーしてたんだ。
手を掴まれ、驚いて振り向く。
先輩……!
まさか追いかけてきてくれるなんて。
「離して。」
そのまま手を引かれて先輩の家に連れこまれた。
…………なんで、こんな事するの?
「離してよ。先輩。」
そんな風にされたら……
ドサ……
そのまま玄関で押し倒された。何も言わず、唇が重なる。
顔を見たら大泣きしてしまいそうで先輩に抱きついて、ひたすら涙を我慢した。
先輩……
…………大好き。
心の中で何度も伝えた。
意地悪なのに優しい手。温かい腕の中。
短い間だけど幸せだったな……
優しいキスに涙が出る。
こんな風に優しく抱かれると辛いんだ。
自分の気持ちと関係なく、憧れは形を変えてしまった。見てるだけで満足出来なくなった欲張りな俺に先輩も気付いていたのかも……
ジッと見つめて先輩の頬に触れる。見透かすように先輩はキスして抱きしめてくれた。
我慢してた涙が溢れ頬を濡らす。
今日でやめよう……
呼びだされても、もう会いに行かない。
止まらない涙を先輩が指で拭う。
でも……
最後だと思ったら止まらなかった。
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