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保健室
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西田は「あんま騒がないでね。」と注意しては自分に視線を向けてくると自分のディスクに戻ってパソコンを開いては業務に戻っていた。
亨は西田が手元に集中しているのを確認すると、葵に目線を移す。
葵は椅子に座ってパンを握りしめたままでいた。
先程お腹の虫が鳴っていたはずなのに遠慮しているのか、なかなか手をつけようとしない。
「食べないの?遠慮しないでよ。」
声を掛けてやるとハッとした表情をしては、
「いただきます。」と小さな声を発しては焼きそばパンにかぶりついていた。
隠すことを忘れてしまったのか空の弁当箱がテーブルに上がっているのが目に入っていたたまれない気持ちになる。
一口食べては葵は一旦パンをテーブルに置くと急にポケットをごそごそし始めては困惑した表情を浮かべていた。
「お金·····財布、鞄だ·····教室に忘れて来てしまいました。今持ってきてお返しします。」
「いいよ。そんなことしてたら昼休み終わっちゃう。それに俺も昼まだだったから。」
「ありがとうございます。」
深々とお礼を言うと再びパンを持ち、かぶりついていた。両手で持って被りつく姿が小動物を思いだして面白くて自然と目が離せない。
しばらくずっと眺めていると葵は急に肩を窄めて
俯いては自分が見てきている事に緊張してしまったようだった。
「葵はなんの花好きなの?」
亨は葵から目線を外すと緊張を解かせようと花の話題を振った。
すると、案の定顔を勢いよく上げると赤面させながらも口を開いた。
「どれも好きなんですけどブルースターとゆうお花が花びらが星みたいで可愛くて色が綺麗で幸せを呼ぶ花とも言われてるんです·····」
「へぇーどんな花なんだろう。」
「亨くんにも見せて上げたいです。あ、写真いま探しますね。」
葵は嬉しそうにスマホを取り出すと写真を探し始めた。
あまり花自体には興味はなかったが彼の楽しそうな顔を見ると自然と自分も嬉しくなるのが心地いい。
亨は待っている間、自分のスマホを弄りながらペットボトルのお茶のキャップを開けて口をつける。
すると、スマホの上部画面にメッセージの通知が
届くとその差出人は西田であった。
目の前にいる上に画面を弄っているのを見られているので既読して返信を返さざるおえない。
「保健室来て。帰ったら許さないから。」
「わかった。」
そう返信を返し、西田の方に目線を移すと如何にも拗ねていますと訴えるような表情をこちらに向けてきた。
一昨日は既読無視をしたし、ここ数日西田の所には顔を出していなかったので、自分のいない家中で好きな人が別の人と盛り上がってたら男だろうと機嫌を損ねるのが西田だった。
それ以来、葵が楽しそうに写真を見せてきたが西田の視線が気になって葵の話の半分も頭に入ってこなかった。
初めて西田の存在が鬱陶しいと思った。
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