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「じゃあ僕達はもう行くねっ、またね菱沼くん。藍野くんもまたね」
「は、はい」
「ん」
また笑った藍野先輩はやっぱりどこか悲しそうに見えた。
それに、藍野先輩は一緒には帰らないのかな?
「あの、」
「ん?」
「どこか具合悪いんですか?」
「え?どうして?」
藍野先輩は不思議そうな顔をした。
「…なんだか、少し悲しそうに見えたので…どこか辛いのかなって…」
俺の言葉に先輩は目を丸くして、ふっと笑った。
先輩は俺の頭をポンと撫でた。
「えっと…」
戸惑っている俺に、先輩は優しく微笑んだ。
「大丈夫だよ」
そして寮の方を見た。
「菱沼くんこのまま寮に帰るんだよね?」
「はい」
「じゃあ一緒に行こうか」
俺の返事を聞かずに先輩は歩き出して、俺も慌てて後ろに着いて行った。
寮には今日入寮で、正直少し入りづらかったから助かる。
「へぇ?じゃあまだ何号室か聞いてないんだ」
「はい、分からないです」
「同室の人と仲良くなれるといいね。多分同じ学年の子だと思うよ」
「そうなんですね」
それは良い情報を聞いた。
同級生なら過ごしやすそう。
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