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「あ、櫂征(かいせい)先輩、新入生連れて来たんですけど」
どこかに向かう途中、1人の人物に会い、藍野先輩は声をかけた。
「あぁ、藍野か。なんでお前が?…まぁいいか、一年で入寮する生徒は君が最後だよ。菱沼灰凌くん」
「え、どうして名前…」
「君が最後だと言っただろ。他の新入生はもう入寮は済ませてそれぞれ部屋にいるからな。誰がまだ入寮していないか把握していた。君は210号室。同室者は同じ新入生だ。はい、これルームキー」
210号室と書かれたプレートが付いている鍵を手渡された。
「あらかじめ送られてきていた荷物は部屋に運んであるから」
「はい、ありがとうございます」
「寮内を案内してやりたいところだがこれからちょっと学校に行かないといけないから……藍野、お前時間ある?」
櫂征先輩は藍野先輩を見た。
藍野先輩はふっと笑った。
「ありますよ、案内しときます」
「助かる。じゃあな菱沼」
ポンと俺の頭を撫でて櫂征先輩は寮を出て行った。
俺の頭ってそんなに撫でやすいのかな?
「じゃあとりあえず部屋に行こうか」
「は、はいっ。あの、ひとつ質問していいですか?」
「ん、何?」
部屋に向かいながら俺は気になったことを問いかけた。
「さっきの、櫂征先輩?は偉い人なんですか?」
「……ふっ…あぁ、そうか…そうだよね、あの人自己紹介してなかったよね」
噴き出して笑った先輩を見て、ドキッとした。
「櫂征先輩は、桔梗櫂征(ききょう かいせい)って名前で、寮長なんだ。3年生…っていうのはネクタイで分かったか…」
俺は頷いた。
「優しい良い人だからさ、何か困ったことがあったら相談するといいよ。もちろん、俺に聞いてくれてもいいし」
「ありがとうございます」
先輩方も良い人ばかりみたいだ。
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