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「あれってどう見ても両想いじゃんね?」
「ぽいね」
紅輝も俺と同じことを思っていた。
「俺余計なこと言っちゃったかな?」
「かもね」
「そこはフォローしろよ」
「あ、ごめん」
食事も終わり、そろそろ部屋に戻ろうかとした時、藍野先輩が食堂へと入って来た。
「あ、藍野先輩」
「ん?あぁ、菱沼くんか。食べ終わったんだね」
「はい。先輩はいつもこの時間なんですか?」
「…まぁね。この時間なら混んでないから」
混んでないと言っているけど、ここの食堂は十分広いし、きっとピークの時間でも座れない、なんてことはなさそうだとさっき思った。
それでもこの時間に来るってことは、もしかして人混みとかあんまり騒がしい所が好きじゃないのかな?
まぁ、食事を摂る時間なんて人それぞれか。
「同室の子?」
先輩はチラッと俺の隣を見てからまた視線を俺へ戻した。
「はい、そうです」
「椿葵紅輝です」
「椿葵くんね、じゃあ2人とも明日に備えて早めに寝なよ?」
「はい」
「はーい」
そして藍野先輩は奥へと入って行った。
「…優しそうな先輩だね」
「うん、さっき寮の案内してもらったんだ」
「元々知り合い?」
俺は首を振った。
「違うんだ…知り合いなのかと思った」
「優しい先輩なんだよ。今日初めて会って、寮長に急に頼まれたのに案内を引き受けてくれたんだ」
「灰凌、今日来たのに先輩に知り合い増えすぎじゃない?俺なんて寮長としか喋ってなかったのに」
「たまたまだよ。でもこれから寮生活だし、先輩に知り合いは増えそうだよね」
「そうだな!先輩にも言われたし、早く寝よ」
俺たちは部屋へ戻って、お風呂に入って、中途半端に片付けていたダンボールを部屋の隅に追いやって早々に寝ることにした。
ちなみに二段ベッドは俺が上で紅輝が下だ。
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