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藍野先輩は生徒会の書記として紹介されていた。
なんとなくだけど、きっととても綺麗な字を書くんだろうなと思った。
教室に戻って来て、担任の教師が今後の日程を説明する。
連絡事項もそこそこに、今日は終わりとなった。
「藍野先輩、生徒会だったんだな」
「そうみたいだね」
寮への道を紅輝と並んで歩く。
明日からの高校生活がすごく楽しみだ。
「何笑ってんの?」
「え、笑ってた?」
「笑ってたよ。思い出し笑い?」
「いや、明日から楽しみだなーって」
「ふはっ…そっか」
紅輝は俺の言葉にくしゃっと笑った。
寮に着く前、昨日俺から眺めていた桜を見上げる人物がいた。
「藍野先輩?」
「ん?あ、今帰り?」
「はい、そうです」
「先輩は何してるんですか?」
紅輝が尋ねると、先輩は笑って、
「お花見かな」
「ふっ…」
思わず俺が笑ってしまうと、紅輝は俺を見て首を傾げた。
「何で笑ったの?」
「いや…」
「昨日、菱沼くんとここでお花見したからね」
先輩は穏やかに笑って俺の代わりに紅輝の質問に答えた。
当然、それでも意味が分からない紅輝はますます不思議そうな顔をした。
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