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「藍野先輩、生徒会だったんですね」
「まぁね。一年の後期から誘われてたんだけど、今期から入ることにしたんだ」
「へぇ…」
優秀だからなのかな?
「どうして後期からやらなかったんですか?」
昨日から思ってたけど、紅輝は先輩だからと遠慮がない。
「…何となくかな」
「じゃあどうして今期からやろうと思ったんですか?」
「ちょっと紅輝…」
ぐいっと紅輝の腕を引いた。
流石に出会ったばかりの先輩相手にズケズケと聞き過ぎだ。
「…いいよ。やる必要がないと思ってたんだよ、一年の時は。でも状況が変わったから」
「……変わった?」
それはどう意味なんだろうと、先輩を見上げたら、
またあの笑った顔をしていた。
悲しそうで、辛そうな…
「…もう行くね。この話はまたいつか」
先輩はまたいつかと言ったけれど、話してくれる気はなさそうだと思った。
「…何かあったのかな」
「そうだろうな」
それでも、流石にこれ以上聞くことなんて俺たちには出来なくて、大人しく寮へ戻った。
昨日より少し早めに食堂へ向かう途中、飛世先輩と古瀬先輩と遭遇した。
「あ、こんばんは」
「菱沼くんと椿葵くんだ!」
飛世先輩は昨日あんな質問をしたのにも関わらず変わらなかった。
「ひしぇ…すみません…飛世、先輩たちは、いつもこの時間に来るんですか?」
「ふふっ、そうだよ。飛世ってただでさえ言いにくいのに先輩が付くと余計に言いづらいよね」
噛んだことに笑って、飛世先輩は答えてくれた。
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