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「でも弓道って集中力とか必要そうだよね。僕には出来なそう」
なんて、菫玲先輩がフォローしてくれて、
「確かに、菫玲はそういうの苦手だよな」
「桐哉に言われるとなんかちょっとむかつくな…」
「何でだよ」
二人はふざけながらも笑い合っていて、昨日も思ったけど本当に仲が良いんだと分かる。
「あ、僕たちそろそろ行くね。また会ったら一緒に食べようね」
「バタバタして悪いな。じゃあまたな」
時計を見て席を立った菫玲先輩はトレーを持って下げ口の方へ行ってしまって、それを追うように古瀬先輩も席を立った。
「…ほんと何で付き合ってないんだろ?」
「側から見たら付き合ってるように見えてもおかしくないよね」
「何か理由があるのかな」
例え理由があっても、流石に新入生の俺たちが聞いて良いことじゃない。
「俺たちも部屋戻るか」
「そうだね。ちゃんと部屋の荷物片付けないと…」
昨日は早めに寝ちゃったし、せめてダンボールを片付けないと…
ってそういえば、
「紅輝って何日か前に入寮したんだったよね?」
「そうだけど?」
「何でまだ荷物のダンボールが残ってんの?」
「…げっ、そこ気づいちゃったか…」
今、げって言った?
「同室の相手は入学式前日に入寮するって聞いてたからそれまでに片付けとけばいいやって思ってたんだけど、気づいたら灰凌が入寮してたっ」
そして結局、俺が荷物を片付け終わる方が早くて、紅輝の手伝いをして漸く部屋からダンボールはなくなった。
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