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紅輝の声が届いたようで、こちらを向いた菫玲先輩が笑って手を振った。
そして競技が始まった。
参加者もそんなに多くはなく、菫玲先輩の順番もすぐに回ってきた。
隣で相変わらず紅輝が叫んでいる。
走り出した菫玲先輩を目で追う。
部活に入ってないって言ってたし、運動は苦手なのかと思ってたけど、全然違ったみたいで、一番に借り物が書かれた紙を手に取った。
その紙を見た時、菫玲先輩は口元を覆った。
照れてる…?
きょろと周りを見渡して、走り出した。
向かったのは次の競技の待機をしていた、
古瀬先輩の元だった。
待機している先に、藍野先輩がいるのが見えた気がした。
お題は何だろう…
『一着は赤組です!借り物のお題は〜?え、何ですか?言っちゃダメ?』
菫玲先輩が放送席に向かってバツを作ってる。
『言っちゃダメみたいです〜!でも皆さんあの反応で分かりますよねー!』
と放送している生徒が言うと、グラウンドの中からヒューヒューと揶揄うように声を出す人、ピーと口笛を鳴らす人が現れた。
つまり、きっと、そういうこと。
藍野先輩に視線を向けると、さっきまでそこにいた先輩の姿は見えなかった。
やっぱり藍野先輩は…
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