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「あ、藍野先輩!」
お昼休憩の時間になって、トイレに行こうと校舎に向かっている途中で藍野先輩を見つけた。
声をかけると振り向いた。
「あ、菱沼くんか…なんか久し振りだね?」
「そうですね、最近先輩忙しそうでしたね…」
「まぁね。生徒会がこんなに忙しいとは思ってなかったなぁ…」
苦笑いする藍野先輩。
特に、表情に変わりはないように見える。
若干、疲れているようには見えるけど。
「あのっ、良かったら一緒にお昼食べませんか?」
「え?」
気づいたらそんなことを口にしていた。
「あ…えっと…」
口籠る俺に、藍野先輩はふわりと笑った。
どこか儚げに見えて、何とも言えない気持ちになる。
「いいよ、食べよっか」
断られると思っていたから驚いた。
「ふっ、何その顔…」
また、笑った。
「いえっ…えっとどこで食べますか?」
藍野先輩は校舎の方を見たが、ふるふると首を振った。
ん…?
「中庭に行こうか」
「はいっ」
そしてトイレに行くのもスッカリ忘れて、教室からお昼を持ってきて藍野先輩と一緒に中庭へ向かった。
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