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中庭で昼食を摂るのは初めてだ。
普段がどのくらい人がいるのか分からないから比べられないけど、今はそこそこに人がいる。
「結構人いるね」
「そうですね…」
日陰になっているベンチや座れそうな場所は全て埋まっていて、空いているのは日向だった。
「菱沼くん日向でもいい?」
「はいっ大丈夫です」
「じゃあそこにしようか」
そして並んでベンチに腰掛けた。
他愛もない話をしていた時、前に人が現れた。
見上げるとそこには菫玲先輩が立っていた。
「あ、菫玲先輩、どうしたんですか?」
「飲み物買いに来たんだけど、二人の姿が見えたから来ちゃった。こんな暑いんだから校舎の中で食べればいいのに」
菫玲先輩がそう言った時、藍野先輩がベンチから立ち上がった。
「ちょっとトイレ行ってくる」
「あ、はい…」
俺に向かって一言だけ言って藍野先輩は去ってしまった。
「僕何か気に触るようなこと言っちゃった?」
「えっ…そんなことないと思いますけど…」
俺の中で、確信に変わり始めていること。
「あ、桐哉から電話だ…もしもし?ごめん、菱沼くんたちに会って話してた…うん、すぐ戻るよ。…じゃあ僕もう行くね」
「あ、はい…」
菫玲先輩はパタパタと小走りで行ってしまった。
藍野先輩はまだ戻ってこない。
「藍野先輩…」
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