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「俺は何も言ってないけど何に対してか分かるんだ?」
「っ…あの、」
今までにない冷たい声音に、自分の発言を後悔した。
「興味本意なのか、誰かから何か聞いたのか知らないけどさ、俺は何も話したくないんだよ」
「先輩っ…俺は」
「菱沼くんは、いい子だし、俺に懐いてくれてるかわいい後輩だと思ってるけど、何かしようとしてるなら、俺に関わらないでくれる?」
突き放されないからって、
拒否されないからって、
藍野先輩が嫌がっていると分かっていることをしようとして、
「じゃあ先に戻るね」
「先輩、待っ…」
俺の言葉を無視して、先輩は食堂を出て行ってしまった。
俺は、
先輩に好かれたいのに。
もう、嫌われてしまったかもしれない。
「でも実際は何があったのか聞いてないんだし、心配されるような態度取る先輩も先輩だと思うけど」
「…先輩は気づかれないようにしてたんだと思うし、聞きたくない話題を無理やりしようとするのは、俺が悪いよ」
「うーん…それでも現に灰凌は気づいてた訳でしょ?納得いかないなぁ…」
紅輝は腕を組んで、むむっと眉間に皺を寄せている。
「それで?灰凌はどうすんの?」
「…どうするって?」
「このまま関わらないようにするの?」
関わらないでくれる?と先輩は言った。
それでも、俺はこんな形で諦めるなんて出来ない。
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