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「めっちゃ痛いけど、とりあえず大丈夫。それより、えっ?告白したってこと?」
何も言わずにただ頷く。
「えぇ〜まじか、まさかの展開だわ」
「うん、俺も言うつもりまだなかったのに、先輩が謝るから…」
そう、藍野先輩は何も悪くないのに、
俺なんかに謝るから、
だから
「悪いのは俺なのに。先輩のことが好きになって、でも先輩は別の人を好きなんじゃないかって思って、傷つけるって分かってたのに、話題にしようとして、結果傷つけて、嫌われても仕方なかったのに、」
紅輝が俺の前までやって来て、頭を撫でてくれる。
「酷い言い方してごめんねって……あんな風に謝られたら、俺もう、言うしかないなって…」
そう、悪いのは俺だって。
「そっか、」
「うん…」
「えっと、それで…?」
顔を上げると、どこか不安そうに俺を見つめる紅輝と目が合った。
「返事はしないでもらった。俺のことをもっと知ってからにして欲しいって言った」
「頑張ったね、灰凌」
また頭を撫でてくれて、涙がこぼれた。
「っ、こんなの、ただの先延ばしでしかないよね」
「そんなことないよ。本当に無理だったら、その場で断るよ。だから灰凌が頑張らないと」
優しい言葉をかけてくれる紅輝。
「紅輝ありがとう、本当に」
「うん」
「藍野先輩の次に好きだよ」
「それはありがとう…?」
それから、俺と藍野先輩が一緒に過ごす時間が少しずつ増えていった。
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