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待ち合わせ当日。
少し早めに着いたのだけど、既に先輩はいた。
「藍野先輩っ」
「まだ2週間くらいしか経ってないけど久し振りな感じするね」
「そうですね」
先輩が笑うから、俺も自然と笑顔になる。
「先輩、本当にここでよかったんですか?」
今日は、先輩が来たいと言うので、俺の地元に来ている。
「もちろん。菱沼くんが送ってくれた写真の場所見てみたいと思ってさ。前に送ってくれた丘とか行ってみたいなって」
「っ!行きましょう!」
中学校や小学校、よく遊んだ公園を通り過ぎて、丘へと繋がる階段を上る。
「緑が多くていい所だね」
「そうですか?」
「昔からこの辺で遊んでたの?」
「小さい頃から山登ったりしてましたけど」
「山登りかぁ…」
体力つきそうだね、と藍野先輩は笑った。
階段を上りきり、少し進むと写真で送った丘が見えてきた。
この辺り一帯を見渡せる。
「わぁー……すごいなぁ。写真でもすごく綺麗だったけど、写真で見たよりずっと綺麗」
柵まで寄った先輩は、辺りを見渡す。
「あ、あそこ、もしかしてさっき通った中学校?」
「はい、そうです。ここからだと見えないんですけど、あっちが駅の方です」
「あーなるほど」
見渡せる景色の説明をして、二人でベンチに腰かけた。
「菱沼くんはこんないい所で育ったんだね」
「育ったって…なんか台詞がおばあちゃんみたいですよ」
「ははっ、せめておじいちゃんにしてよ」
「ふっ…藍野先輩の地元には山とか、ないんですか?」
「…ないねぇ」
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