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夕飯を食べ終え、藍野先輩とは駅前で別れた。
帰り道で今日のことを思い出す。
すごく、楽しかった。
先輩が笑ってくれることが嬉しかった。
あの、悲しそうな笑い方じゃない。
藍野先輩に、本当のことは何一つ聞いてはないけど、嫌われるくらいなら、一生知らないでもいい。
そう思った。
でも、藍野先輩は、少しずつだけど変わっていた。
俺はそれに気づけていなかった。
そして、何度か夏休み中に藍野先輩と遊んだ。
紅輝と3人で遊んだ日もあった。
それから、菫玲先輩から、古瀬先輩と一緒に撮った夏祭りの写真が送られてきた。
"やっほー!菱沼くん元気〜?僕は桐哉と夏祭りに来てるよー!もうすぐ学校始まるね!今度遊ぼうね!"
幸せそうに笑う2人。
きっと、藍野先輩は2人の仲を壊したいとか、そんな風には思ってないと思う。
菫玲先輩を見て、悲しそうになるのは…
どうしてなんだろう?
好きだけど叶わないから、それが辛くて…?
「でももう聞かないって決めたから、気になっても解決は出来ないんだよね」
「一回やらかしてるしね」
明後日から学校が始まる。
俺はもう寮に戻って来ていて、紅輝も戻って来ていたから、着いて早々に相談。
「うん、今度こそ嫌われちゃう…せっかく笑ってくれるのに」
「そうそう、俺思ったんだけどさ、」
「何?」
「藍野先輩、よく笑ってるなーって」
「…そうかな?」
「そうだよ!3人で遊んだ時なんてちょっと驚いたよ」
そんなに?
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