アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
46
-
ジャージに着替え、制服のズボンを持って廊下に出た。
廊下は生徒で賑わっている。
ただ、中の水道は人がいっぱいで、仕方なく外に出たらそこにはチラホラ人はいるけど、空いていた。
「あれ、菱沼くん?あははっ」
声をかけて来たのは菫玲先輩だった。
俺の顔を見て声を上げて笑った。
「ペンキついちゃったの?」
「はい、ひっくり返しちゃいました」
「菱沼くんらしい〜」
「俺らしいって何ですかー」
「ふふっ、ごめんごめん。貸して?僕がそれ洗ってあげるから、顔についたの落としなよ、乾いちゃうと落とすの面倒だよ」
「あ、すみません、ありがとうございます」
菫玲先輩の優しさに甘えて、俺は顔についたペンキを落とす。
「顔の取れました?」
「うん、取れてるよ」
「制服の方は…」
「これもほぼ落ちたよ。あとでちゃんと洗濯してね」
「はい、ありがとうございます」
「いいえ〜」
「菫玲」
「あ、桐哉、どうしたの?」
「水汲みに行っただけなのになかなか戻ってこないから迎えに来たんだよ」
「ふふっ、ごめんね?菱沼くんが居たから」
「あぁ、そういうこと」
チラリと俺に視線を向ける古瀬先輩。
「すみません、菫玲先輩…引き留めてしまって」
「いいのいいの、僕が勝手にしたことなんだし。桐哉が心配性なだけだから」
「菫玲放っとくとどっか行きそうだからな」
「え、何それー」
2人は本当に仲が良いなと思う。
高校で知り合った2人らしいけど、付き合う前から仲良いなと思ってたし。
「じゃあ僕たち行くね。文化祭準備頑張ろうね〜」
そう言い残して、2人は去って行った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
46 / 148