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「えっ…?」
「…声掛ける相手間違えてませんか?」
すごいな紅輝。
戸惑う俺とは裏腹に、ハッキリと言った。
「ははっ、間違えてないよ。ここ入って来た時から可愛いな〜って思って」
「俺たち男ですけど」
「知ってるよ。見れば分かるし」
「それならどうして」
「関係ないよ」
男同士でも関係ない。
その言葉は俺に響いた。
だからと言って相席するかどうかは別の話。
「でも俺、タイプじゃないんですけど」
紅輝は二人の大学生を交互に見てからはっきりと言った。
そして俺に視線を向ける。
「…俺も、タイプじゃない……」
「ははっ、振られてやんの〜」
俺たちに声を掛けた人じゃない方の人が笑って茶化す。
「そりゃ残念」
そして二人はあっさり引き下がり、何でもないような調子で教室を出て行った。
「嫌な感じだな。高校の文化祭にナンパしに来てんのかよ」
チッと紅輝は舌打ちをしてメニューに視線を戻した。
「ありがと紅輝」
「いーえ。灰凌も俺くらいはっきり言った方がいい時もあるってこと、覚えておきなよ」
「う、うん…」
「ふはっ、灰凌にはまだ無理かな〜」
くしゃくしゃと髪を撫でられる。
「ちょっ…」
そうして俺たちはケーキセットを頼んで、甘いものを堪能した。
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