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「美味しかったね」
「そうだな」
1日目の文化祭も終わり、寮への帰り道を紅輝と並んで帰る。
「なんかあっという間だったなぁ…」
「そうだ灰凌、明日はどうすんの?」
「え、うーん…先輩から返事はないし、クラスの人と回ろうかな…」
「そっか。先輩、きっと忙しいんだよ」
「うん……」
それでも、考えてしまう。
仲良くなれてると思っていたのは、俺だけだったのかなって。
「灰凌っ、せっかくの文化祭なんだから楽しまなきゃ!俺は明日一緒に回れないけど、今日見れなかったところたくさんあるんだから、全部回るつもりで行きなよ!」
「いや、全部って…いくつあると思ってるの…大体全部回ってたらお腹が破裂しちゃう」
「…ぶはっ!さすが灰凌。天然炸裂してんね?」
「え?今のどこが?」
紅輝は答えずに笑っている。
「あー面白い」
笑うのに満足したのか、大きく深呼吸した紅輝。
面白いのは紅輝だけだ。
「とにかくさ、楽しもうってこと!」
「うん、それは、そうだよね」
あの優しい先輩のことだ。
断るにしても必ず返事はくれるはず。
部屋に戻って、お風呂を済ませて、ベッドに入ってからも俺は紅輝と話をしていたのだけど、気づけば眠っていた。
俺は部活にも入っていないから、クラスの担当時間が少しだけ多い。
今日も午前中はクラスの担当だ。
今日は裏方で、ひたすら焼いていた。
「菱沼〜クリーム足りそう?」
「うーん、微妙かも…」
「了解ー。そう、足りなさそうだから追加のもう持ってきて、はーい」
俺に声をかけたクラスメイトは電話を切るなり俺のところへ戻って来た。
「今調理室からクリーム持ってきてもらうから、そいつが来たら交代でいいってさ」
「あ、ありがとう」
「お礼言われるようなことじゃないけどな?」
そして数分後、クリームを持ってきたクラスメイトと交代し、俺はクラスを抜けた。
「あー…どうしよ」
朝はバタバタしていてクラスメイトを結局誰も誘えていない。
なんて思いながら廊下を歩いていたら、
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